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プロローグ ~キャッシング業界の変遷~
平成18年に改正された貸金業法でキャッシング業界は大きな変革の時を迎えました。
施行されてしばらく経ちましたが、皆さんの中にもこの改正によって救われた方、逆に困った方、そしてだいぶ方向性が見えてきたとはいえ、貸金業界で働く方は、まだまだ複雑な気持ちや不安な気持ちで仕事をこなしているかもしれません。
もともと「お金を貸す」「お金を借りる」という行為は古くから行われてきた行為です。
お金だけではなく、昔は農民が庄屋などから食料の米を借り、そして米が収穫できたときに、借りた米に利息分の米を上乗せして返すというような行為も行われてきました。
ただ、時代劇などで見られるような悪徳庄屋などは、幕府により利息の上限は年率20%(後に15%、12%)と定められていたにもかかわらず、極めて高利で米を貸し出し、農民から搾取してきました。
近代になって、国は高利貸しから国民を守るためルールを制定しました。
有名なものが明治10年に初めて制定された「利息制限法」(りそくせいげんほう)です。
当時は
・元本が100,000円未満の場合 年2割(20%)
・元本が100,000円以上1,000,000円未満の場合 年1割8分(18%)
・元本が1,000,000円以上の場合 年1割5分(15%)
といったものでした。
そして昭和58年には「貸金業法」(かしきんぎょうほう)が定められ、法律によって貸金業界に一定の規制が定められました。
これは貸金業、いわゆる消費者金融や信販会社に対し施行されたもので銀行は含まれません。
その後ヤミ金融を取り締まる目的で平成15年に改正され、さらに今回平成18年の改正では貸金業界に対し、徹底的な規制がなされました。
この改正についての是非はすでに様々なところで議論されていますが、今回の改正では消費者保護の観点から業界(貸金企業)に対して厳しい規制が加えられました。
そして業界に規制が加えられたため、企業が消費者に融資できず、お金を借りることができなくなった消費者がたくさん居るのも事実です。
新しくなった「貸金業法」でもっとも、大きく変わった点といえば、
・グレーゾーン金利の廃止(「みなし弁済」の禁止)
ではないでしょうか。
これは利息制限法の制限利率(15%~20%)を超え、出資法の上限利率(29.2%)で貸し出すといった行為を明確に禁止したことです。
また従来、利息制限法を超えた金利分もユーザーが任意で支払った場合には一定の要件のもと、有効になるという「みなし弁済」も禁止になりました。
その為、現在では利息制限法以上の金利分に関していかなる場合も無効となります。
また「ユーザーが任意で払った」ということが無効になるため、過去に利息制限法の制限利率以上に払った利息も請求されれば返還しなければならなくなりました。
その為現在ユーザーによる(利息制限法を超えた金利分の)過払い金請求が盛んに行われているわけです。
改正んによって以前から高い利息に苦しめられた消費者が救済されると同時に、廃業などに追い込まる消費者金融会社も多くありました。
次にあげられるのが
・総量規制
ではないでしょうか。
これは、今後はそもそも返済能力を超えた金額は貸してはいけない、というルールです。
個人向け借入(キャッシング)では、年収の3分の1を超える場合新規借入ができなくなります。
つまりグレーゾーン金利が廃止され、「みなし弁済」の禁止によって消費者を救済すると同時に今後はお金を借す人を限定していくということです。つまり借りられなくなる人が増えるということです。
このサイトではこれらの改正を踏まえ、資金需要のある消費者の観点から、今後キャッシングを利用するにはどうしたらよいのか、またどのような点に注意しなけらばならないのか。
そしてそもそもこの改正によって逆に増加する可能性のあるヤミ金融に手を出さないように、しっかりとキャッシング業界の動向を見ていく目的で運営していきます。
なお、前述の貸金業法改正は平成22年に完全施行されています。
お金を貸す行為の時代の流れを解説したところで、まずはあなたのキャッシングを利用する必要があるのか再度確認しましょう。