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地銀が無担保ローン強化、日銀マイナス金利で
– 地方銀行がカードや自動車など個人向け無担保ローンの取り組みを強化している。かつては消費者金融会社の主戦場だったが、住宅ローンなどに比べ高い利ザヤを確保できることから参入する銀行が相次いでいる。日銀のマイナス金利導入で、貸出金利のさらなる低下が予想されるなか、新たな収益の柱と位置付けて強化する銀行が増えそうだ。
「個人の無担保ローンは伸ばしていく。ここはもうかるから」──。静岡銀行の中西勝則頭取は、こう強調する。
同行の個人向け無担保ローンの残高は、2015年12月末で631億円(目的型ローンとカードローンの合計)と、2013年3月末から2倍強に増えた。同期間の住宅ローンを含む個人向け貸出の残高の伸びは約15%だった。
地銀の個人向け貸出に占める無担保ローンの割合は、まだ小さい。しかし、別の地銀の担当者によると「高い金利を考えると、1000億円の無担保ローンと1兆円の住宅ローンは、同じくらい収益インパクトがある」という。
横浜銀行の住宅ローン最優遇金利は、3月時点で10年固定が0.725%。これに対し、カードローンの金利は1.9%から14.6%。「業界全体として住宅ローンや法人融資の金利がどんどん下がるなか、資金収益で期待されていのはここだ」(同行広報室)。
大手地銀はここ数年、インターネットでのプロモーションなど無担保ローンの広告を強化してきた。千葉銀行では、17年3月末に1200億円としていた個人向け無担保ローンの残高目標を中間期で100億円積み上げた。
無担保ローンには、マイカーローンや教育ローンなどのように、資金使途を特定のものに限った目的型と呼ばれるものもあるが、使途を特定しない自由なカードローンでは、借りる際の手続きの簡便さが魅力となり、金利が高くても利用者が多いという。
この分野は、かつて消費者金融会社が圧倒的なシェアを持っていた。しかし、貸金業法の改正など環境の変化で、ノンバンクの残高は次第に伸びが鈍化。今では「銀行がニーズを取り込んでいる」と、オリエントコーポレーション(オリコ)金融保証統括部の竹中一郎副部長は指摘する。同社の地銀、第二地銀向けの保証残高は、15年9月末で3960億円と、2年前に比べ2割以上伸びた。
複数の地銀関係者は、日銀のマイナス金利導入によって、貸出金利のさらなる低下に直面するなか、個人向け無担保ローンに注力する銀行が増えると予想する。「これまでは銀行がサラ金のようなことをやるのかと嫌がる役員が多かったが、今は様子ががらりと変わった」(大手地銀関係者)との指摘もある。
スタンダード&プアーズ・主席アナリストの吉澤亮二氏は、個人向け無担保ローンについて「収益性は普通の貸出に比べはるかに高く、またこれから需要も増える可能性がある」と話す。
ただ、この分野での地銀の競争が激しくなる中で「地域金融機関としての特性や強みが出しにくく、差別化が難しい分野でもある」と指摘している。
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参照元:REUTERS
http://jp.reuters.com/article/regional-bank-boj-idJPKCN0WC0BT
掲載日:20160310
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